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自転車マナーの改善策!向上しない理由とは何なのか?

先日、近所の道を車で運転していたのですが、本当にヒヤッとする出来事がありました。私の前方左側の路肩を走行していた自転車が、何の前触れもなく斜めに横断し始めたので心臓が止まりそうなほど驚きました。

もし、もう少しスピードを出していたら、もっと自転車に近付いている状態だったら・・・私は自転車を事故に巻き込んでいたかもしれません。

反対側の路肩に通り過ぎ去って行った自転車を横目に、ドキドキしながらも胸に湧いてきたのは怒りの感情。危ないじゃないの!後ろも見ないで斜め横断するなんて!・・・って言うか、斜め横断するのマナー悪すぎるでしょ?!

自転車のマナー悪い人、結構見掛けます。自転車のマナーが原因で、交通事故に発展してしまうのは本当に困りますよね。自転車のマナーが良くなるような改善策って何か行われているのでしょうか?気になるので調べてみました。

自転車の運転ルールのおさらい

自転車は専用の免許が不要で、小さな子供から年配者まで誰もが気軽に乗れる乗り物です。とはいえ、自転車は道路交通法では軽車両との位置付けられているので、立派な車の仲間になります。

自転車に乗る時には車と同じように決め事があり、ルールを破ると道路交通法違反となります。自転車で重要なルールと言われているのは、以下の5つです。

今さら自転車のルールなんて、とも思われますが、意外と知らずにいることもあるのでおさらいしていきましょう。

  1. 自転車は車道が原則、歩道は例外
    例外:道路標識に自転車の歩道通行可能と表示ありの場合や、13歳未満の人・70歳以上の人・体の不自由な人など
    (違反した場合:3か月以下の懲役または5万円以下の罰金)
  2. 車道は左側を通行
    (違反した場合:3か月以下の懲役または5万円以下の罰金)
  3. 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
    (違反した場合:2万円以下の罰金又は科料)
  4. 安全ルールを守る
    • 飲酒運転は禁止
      (違反した場合:5年以下の懲役または100万円以下の罰金など)
    • 二人乗りは禁止
      (違反した場合:5万円以下の罰金等)
    • 並進は禁止
      (違反した場合:2万円以下の罰金または科料)
    • 夜間はライトを点灯
      (違反した場合:5万円以下の罰金)
    • 交差点での一時停止と安全確認
      (違反した場合:3か月以下の懲役または5万円以下の罰金等)
    • 信号を守る
      (違反した場合:3か月以下の懲役または5万円以下の罰金等)
  5. 子どもはヘルメットを着用
    保護者は13歳未満の子供にヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない

この他にも、以下のような自動車の運転をしている人も度々見かけますが、れっきとした違反です。

  • ながらスマホ・傘さしなどの片手運転
  • イヤホン・ヘッドホンを装着しての運転

危険な運転なので、絶対にやめましょう。

自転車の交通事故のほとんどはルール違反が原因

自転車に乗って交通事故となった場合で、亡くなった人は約8割が自転車側の運転ルール違反が原因になっています。また、ケガをした人の場合は約7割が自転車の運転に違反があったと言われています。

自転車のルールを無視した運転は、重大な事故を引き起起こす原因になってしまいます。しかも、車のような鉄の塊よりも弱く人の体がむきだしの状態の自転車は、事故に巻き込まれたら死亡事故となりやすいのです。

自転車は運転マナーを守らないと、命の危険性のある乗り物です。とは言え、自転車の運転マナーの悪い人は後を絶ちません。どうして、危険を顧みないような運転を続けてしまうのでしょう?

自転車のマナーが向上しない理由とは?

日本での自転車のマナーが浸透しない理由には、自転車の交通ルールの解釈があいまいで抜け穴が多いことがあげられます。例えば、

  • 車道の左側通行としながらも、例外で歩道を通行する場合には左右どちらでも通行できるようになる
  • 状況によって、車道の信号と歩行者の信号を使い分けることができる

というように、自転車を運転する人によって都合よく解釈できてしまうルールになっていることも否めません。

自分中心に考えている人が多い

しかし、自転車を運転する側もルールを正しく理解できていないため、マナーが向上しないとも言えます。どうしてこのルールがあるのか、ルールを守らないとどのような事故が起こる可能性があるのか、学ぶ機会が小学生以外にほとんどありません。

一時停止しなければならない場所でそのまま飛び出してしまったら、スピードの出ている自動車は急に止まれないことなど、周りの乗り物や歩行者と共存していることを学ぶ必要もあります。

実際に自動車を運転するようになってから、道路での自転車の存在が危険なものであるという認識に変わるという人もいます。客観的に見て初めて気が付くこともあります。

中には言ってもわからない人も居るのが現実

また、ルールを知った上でもマナーの改善が見られない運転者の理由には以下のようなものがありました。

  • ルールを守るのが面倒臭い
  • 一時停止などルールを順守する時間も無いほど急いでいる
  • 今までも危険な目にあったことが無い

理由から見て取れるのが性格的に野心家である、せっかち、競争心が強いなど、例えルールを知っていたとしても守る意識が薄い人には解決案が難しいのが現実です。

とは言っても、自転車のマナー向上のために改善策を考えなければ、ルールを無視する運転者を見逃すことにもなりますよね。では、外国ではどんな方法でマナー向上に誘導しているのでしょうか。

外国での交通安全教育とは?

世界でも自転車の利用の多いヨーロッパではどのような改善策がとられているのか見ていきましょう。

オランダの自転車マナー改善策

自転車先進国と言われるオランダの場合、自転車のルールは至ってシンプルです。

自転車専用のレーンを作ることを大事にしています。歩道上でも自転車のレーンがあったり、対面通行式の自転車レーンもあります。また、10~11歳には国民交通試験を実施し、子供の頃から交通ルールを認識できるような環境があります。

イギリスの自転車マナー改善策

イギリスでは、18歳までに段階的にレベル1~3の教育トレーニングと検定を行うことを国家プログラムとして実施しています。

フランスの自転車マナー改善策

フランスでは、小学生と中学生で交通安全教室が義務化されており、試験結果は保護者にも通知されるようになっています。高校生も試験的に行っていて、その後の自動車免許取得時にも自転車の行動予測についてなど学ぶ機会が用意されています。

まとめ

日本では、自動車免許を取得していない若年層の自転車事故率が高いと言われています。

しっかりした交通ルールを学ぶ初めての機会が自動車免許取得のために通う教習所だということも、若年層の自転車事故が多い理由にあるのではないかと私は思います。

小学生よりも中学生や高校生の方が、人によっては「自分は大丈夫」という自転車に対する危険意識が薄れているものです。日本でも交通ルールを学ぶ機会がよりあれば、自転車事故につながるような運転が減るのではないかと思います。

自分の自転車の運転が道路上で危険になっていないか、想像する力も必要なのかもしれませんね。

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