近所に住む我が子の幼馴染は、高校生になった頃から歯の噛み合わせが悪いため矯正治療をしています。
この春に高校を卒業したのですが、先日犬の散歩をしていた彼に会った時、マウスピースのようなものをしていましたが、「あ、これ、次の段階に入ったから。歯の矯正もあと1年ぐらいで終わりそうだよ。」と言っていました。
彼の場合は、口腔内を広げて、歯を何本か抜き・・・というかなり時間もかかる矯正のようですが、実は歯並びの見た目を治したいという理由よりも、噛み合わせが悪いことで体にも影響が出ていたようなんです。
噛み合わせが悪いと体にどんな症状が出るのでしょうか?気になるので調べてみましたよ。
正常な噛み合わせとは?
歯の噛み合わせの良し悪しとは、どんな基準なのでしょうか?歯科医の判断する正常な噛み合わせとされている目安とは、
- 奥歯で噛んだ時、上下の歯がしっかり噛み合っている
- 上下の歯を噛み合わせ下あごを上下左右に動かしてみた時、均等に歯が接触する
- 上下の前歯が、上下と前後方向に2~3mm重なった状態で交互に噛み合っている
- 噛み合わせた時、上下の前歯と前歯の境目が揃っている
以上の4点が全て当てはまっている状態が正常な噛み合わせである、としています。
正常な歯の噛み合わせであれば、歯や口の中のストレスも無く生活できるのですが、噛み合わせが悪いことで歯や口の中の状態に悪い影響が出てきます。
噛み合わせが悪いとどうなる?
噛み合わせが悪いと、上下の歯が均等に接することができなくなるので、噛み合わせのできる歯の場所だけで咀嚼をすることになります。同じ歯だけで毎日噛み合わせることで、歯や歯茎に負担がかかるようになり、歯が折れたり欠けたり虫歯や歯周病のリスクも高まります。
また、噛み合わせが悪いことが原因で、特定の発音がしにくくなったり、口が閉じなくなってしまったりすることもあります。
そして、噛み合わせの良し悪しは、口の中や歯の問題だけでなく顎の関節にも関係があります。悪い噛み合わせによって、顎関節に負担をかけるため、口が開きにくくなったり顎関節症になることもあります。
実は、噛み合わせと顎関節は大きく連鎖していて、
- 顎関節は背骨とつながっている
- 噛む筋肉と連動している
という繋がりが元で、身体全体のバランスにも影響を及ぼしています。
つまり、噛み合わせが悪いことは、口の中だけの問題では済まずに身体全体への不調につながっていく可能性が大きいのです。では、実際には身体にどんな症状が出てくるのか、詳しく見ていきましょう。
噛み合わせが悪いと出る症状とは?
噛み合わせが悪いと、先述したように口腔内に症状が出ます。その他にも、一見噛み合わせとは無関係のような身体の部分にも症状が現れます。実は、噛み合わせの治療をしてから、今まで感じていた症状の原因がよくわからなかったものが改善した、というケースがあります。
耳鳴りがするため、耳鼻科で診てもらっていたが改善しなかった。しかし、噛み合わせの治療をして耳の症状が軽減した、など、具体的に何かが証明されている訳ではありませんが、長年悩んできた症状が軽減された例が多くあります。
そのことから、噛み合わせと関連の可能性のある症状とは、以下のようなものがあると言われています。
- 耳鳴り
- 難聴
- めまい
- 頭痛
- 肩こり
- 手足の関節の痛み
- 腕が上がらない
- 腰痛
- 坐骨神経痛
- 手足の痺れ
- 寝つきが悪い
- 目のかすみ
- 婦人科系トラブル
噛み合わせが悪いことで、こんなに身体の様々な場所に症状が出るのは不思議に感じますよね。しかし、症状が出る原因が噛み合わせの悪さだとされるのには、このようなことが言われているからなんです。
悪い噛み合わせで起こる症状の原因とは?
「噛む」という動作をするには、顎関節などからつながっている筋肉を動かします。噛み合わせが悪いと、噛む時に使う筋肉に偏りが生じてきます。
以下は、噛む時に使う筋肉ですが、噛み合わせが悪いとこのような症状が出てくることがあります。
- 顎関節から側頭につながっている「側頭筋」の緊張から、頭痛を引き起こす
- 顎関節から口の横を通り側顎につながる「咬筋」をバランスが悪くなり、顔が歪む
- 頭部の歪みや筋肉のバランスが左右で偏り、顎から肩につながる「広頸筋」に負担をかけ肩こりになる
- 次第に、頭部を支える背骨や仙骨、膝などにも歪みが生じて、体の様々な場所に症状が出る
このように、骨格・筋肉のバランスが崩れることで、全身に不調が出ることが考えられます。
また、顎関節に近い耳に関する症状も、噛み合わせの悪い人の多くが顎に歪みを生じているために起こるとも言われています。
耳管が後方にずれた顎に圧迫され耳鳴りが起こったり、歪みのある顎で噛んでいるうちに側頭の頭蓋骨にも歪みが起こり、めまいの症状を引き起こすと言われています。
一見、無関係のような婦人科系トラブルも、噛み合わせが悪いことで引き起こされた頚椎の歪みから、自律神経が圧迫されホルモンバランスが悪くなることも考えられています。
このように、噛み合わせの悪いことから口の中だけと思っていた問題が、全身の不調につながりかねない大問題に発展しかねません。噛み合わせが気になる場合には、早急に歯科医に診てもらいましょう。
まとめ
娘の幼馴染みが言うには、「俺の歯の矯正がうまくいきそうだから、今まで様子を見ていた兄貴が今度矯正するって言ってる!」だそうです。
今回調べてみて、悪い噛み合わせのまま放置しておくことで、様々な身体の不調を引き起こす原因になっていることがわかりました。噛み合わせは重要なんですね。
歯は生涯の相棒です。一生のうちで、毎日何回噛み合わせしていることか考えただけでも怖いくらいですが、悪い噛み合わせでいることがどれだけ体に負担をかけることになるのか、ということですよね。
心配になったら、すぐには医者さんへ!ですね。
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