全国各地で、様々な祭りがありますが、京都三大祭
をご存知ですか?
京都府京都市内で行われる、葵祭(5月)、
祇園祭(7月)、時代祭(10月)の3つの祭の
ことです。
葵祭(あおいまつり)は、下賀茂(しもがも)神社
と上賀茂(かみがも)神社で行われる祭りです。
祇園祭(ぎおんまつり)は、八坂神社で行われる
祭りです。7月1日から1か月間にわたって
行われる長い祭で、京都の夏の風物詩なのです。
時代祭(じだいまつり)は、平安神宮の創建を
祝って始められたものです。
東京奠都(てんと:新たに都を定めること)以前の
京都の風俗を遡る時代行列等を行うため、
「時代祭」と呼ばれるようになったそうです。
京都の春を彩るのは、王朝風俗の伝統が残る、
葵祭りです。
では、その葵祭とは、どんな祭りなのでしょうか?
葵祭ってどんな祭りなの?
葵祭の起源は、欽明天皇時代の567年のこと、激しい
風雨で五穀が実らなかったため、賀茂の大神の崇敬者の
伊吉若日子(いきわかひこ)に占わせたそうです。
占いの結果は、賀茂の神々の祟りであると出たため、
若日子は勅命をおおせつかりました。
そして、4月の吉日に祭礼を行い、馬に鈴をかけ、
人は猪頭(ししがしら)をかぶって駆競(かけくらべ)
をしたところ、風雨が治まり、五穀は豊かに実って
国民も安泰になったそうです。
葵祭は、正式には賀茂祭(かもまつり)と言います。
京都市の賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ:下賀茂
神社)と賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ:
上賀茂神社)で行われる祭りです。
5月15日(陰暦4月の中の酉の日)に行なわれる
例祭(れいさい:神社で行われる年1回の代表的大祭)
なのです。
祭りの主役は勅使代です。
賀茂祭が葵祭と呼ばれるのは、内裏宸殿(だいりしん
でん)の御簾(みす)、牛車(御所車)、勅使、供奉者
(ぐぶしゃ)の衣冠(いかん)、牛馬など、すべて葵の
葉で飾るようになったからだとされています。
祭りの見どころは?
葵祭にさきだって、流鏑馬(やぶさめ)、斎王代以下
女人列の御禊(みそぎ)の儀、武射(ぶしゃ)神事、
御陰祭(みかげまつり)、御阿礼神事(みあれしんじ)
が行われます。
最も有名なのは、流鏑馬神事(やぶさめしんじ)です!
これは、公家風の装束姿や武家風の狩装束姿の射手
(いて)が、糺の森(ただすのもり)の真中にある
馬場(ばば)で、疾走する馬上から3つの的を
射抜くというものです。
射手のかけ声「イン、ヨー」とは「陰陽」のことだ
そうです。
見事に矢が的中すれば、五穀は稔り諸願は成就する
とされています。
葵祭は、本来は、宮中の儀(きゅうちゅう)・
路頭の儀(ろとうのぎ)・社頭の儀(しゃとうのぎ)
の3つから成ります。
※現在は、宮中の儀は行われていません。
路頭の儀は、平安時代の衣装を身にまとった人々が
牛車とともに京都御所から下鴨神社を経て上賀茂神社
までの道のりを行列します。
近衛使(このえつかい)等による本列と、斎王代
(さいおうだい)を中心とする女人列(にょにんれつ)
があります。
斎王とは、賀茂神社に御杖代(みつえしろ)として
仕えるために皇室から差し出された内親王・女王の
ことです。
1956年に斎王に因んで斎王代と女人列が創設され
ました。
京都ゆかりの一般女性から選ばれるので「斎王代」
と言います。
社頭の儀は、下賀茂神社と上賀茂神社で、実際の勅使
である掌典職(しょうてんしょく)の掌典が祭文を
奏上(じょうそう)します。
クライマックス!行列を見学しよう!
葵祭は、明治の東京遷都(せんと)で一旦廃れましたが、
1884年から再び行われるようになりました。
この時から5月15日が祭日となりました。
当日は天皇から勅使(ちょくし:使者のこと)が遣わされ、
葵祭が始まります。
行列は乗尻(のりじり:昔の賀茂競馬の騎手)の騎馬
6騎を先頭に総勢約500名の雅やかな行列です。
葵祭の行列の全体像は、次の通りです。
第1列:検非違使(平安京の警察)、山城使(現京都
を治めていた)とその従者たち
第2列:御幣物をかつぎ供奉(ぐぶ)する官人、
馬を管理していた馬寮使(めりょうつかい)、
紫の藤の花で飾られた御所車
第3列:勅使と勅使に従う舞人(まいびと)
第4列:楽を奏する倍従(べいじゅう)と内蔵使
(くらつかい)、花々で飾った風流傘
(ふりゅうがさ)、十二単(じゅうにひとえ)
で腰輿(ようよ)に乗る斎王代と斎王列、
それに従う女人たちの列
葵祭は、古(いにしえ)の日本文化が垣間見える祭り
の一つで、当日の行列は大変見ごたえのあるものです。
見てみたいですよね?
見学は、有料観覧席を利用するのがオススメです!
チケットを入手しよう!
葵祭の見学には、有料観覧席を利用するのが
オススメです!
「京都御苑」と「下鴨神社参道」に有料観覧席が
設けられます。
4月初旬から、全国のローソン、ミニストップ、
JTB、近畿日本ツーリストの支店、営業所で販売
されます。
料金は2,000円です。
全席指定で、パンフレットも付いていますので、
じっくりと見ることができますよ。
<注意事項>
当日は混雑が予想されるので、京都御苑席は
午前10時、下鴨神社席は午前11時までに、
観覧席に入場することをお勧めします。
見学時間は、1時間弱です。
写真撮影をされる場合は、フラッシュ撮影は、
牛馬が暴走するなどの危険がありますので禁止です。
また、日傘の使用や、喫煙は禁止です。
そして、ゴミは必ず各自で持ち帰りましょうネ。
お問い合わせは、京都市観光協会まで。
TEL 075(752)7070
京都府東山区 地下鉄三条京阪駅出入口1番(階段)上
京都三条大橋ビル2階
受付時間:9時~17時(毎日)
公式サイトはココ。
http://www.kyokanko.or.jp/aoi/kanran.html
古来から続く葵祭ですが、この伝統をこれからも
続けて、未来へ伝えていきたいですね。
京都の春を彩る、雅やかな祭りを、優れたマナー
で、是非見学してみて下さい。
最近のコメント