今、年金の受給年齢が引き上げられ、
さらには、受給額が下げられて、老後は
自分でなんとかしなくちゃと、思う人は多いでしょう。
私も、ときどき友人と、そんな話をします。
あるとき、老後の資金はどうするか、という
話題になりました。
「それは、何歳まで生きるかによって
計算が違ってくるよね」となるのですが…
正確な余命は分からないですよね。
という事で、一つの指標として、平均寿命まで
生きていた場合の事を考えてみる事としました。
何歳まで生きるのか?
厚生労働省の「生命表」によれば、
日本人の平均寿命は、昭和40年で67.74歳
平成22年で79.59歳と、12年も伸びています。
これは、医療の進歩や、食を始めとする
生活環境の改善からの結果、と思われます。
現在、基本的な年金受給年齢は、65歳です。
でも、受け取りを60歳まで繰り上げたり、
70歳まで繰り下げたりすることができます。
繰り上げて、早く受け取ると、減額されます。
また、繰り下げて、遅くから受け取ると、増額されます。
減額されると、老後の生活は苦しくなります。
増額されても、早くに死んでしまったら、受け取れません。
自分は、一体、何歳まで生きられるか?
そこがポイントに、なるのでしょう。
ある経済評論家によれば、
平均余命で、考えなくてはいけないとのこと。
2012年時点で、65歳の人の平均余命は、
男性18・89歳、女性23・82歳です。
すなわち、2012年に65歳まで生きた男性は83・89歳、
女性は88・82歳まで平均で生きることになります。
これは、平均寿命よりもさらに3~4年長いのです。
では、いくら必要なのか?
先の平均寿命より更に4年ほど長く生きると想定して、
男性は88歳、女性は93歳まで、生きると考えます。
また、生命保険文化センターの調査結果によると、
老後生活を送る夫婦2人の、日常生活費は、
最低でも、月22万円必要となっています。
単身の場合は、月15万5,000円です。
計算すると、必要な老後の生活費は、
夫婦二人の場合、月22万円×12カ月×23年=6,072万円
夫の死後、月15万5,000円×12カ月×8年=1,488万円
合計7,560万円になります。
一方、夫婦2人分の、標準的な年金受給額は
月額21万8000円です。
そこで、夫は88歳、妻は93歳まで生きるとし、
夫の死後は、妻が老齢基礎年金と遺族厚生年金
(夫の老齢厚生年金額の4分の3)を、
受給する想定で計算してみます。
夫婦の年金受給総額は、
21万8,000円×12カ月×23年=6,017万円
です。
夫の死後の妻の年金受給総額は、
13万2,000円×12カ月×8年=1,267万円
です。
合計7,284万円になります。
つまり、先の最低生活費の合計7,560万円から
年金受給額7,284万円を引くと、276万円となります。
この約300万円が、老後に必要な資金ということです。
しかし、これは最低での場合です。
少しゆとりのある生活を望んだり、
老人ホームや私立の介護施設に入居すると、もっとかかります。
ゆとりある生活や、施設の入居を考えた場合、
約3,000万円は、自分で蓄えておきたい資金額という人もいます。
労働厚生省によると、平均退職給付額は
2,156万円ということですから、
その場合は、約800万円が必要貯蓄額と言えそうです。
ただし、自営業の人は、退職金がありませんから大変です。
もっとも、定年自体がないのですから、
働き続けるしかない、ということでしょうか。
老後資金について思う事
スウェーデンでは、給料の50%を、
所得税で納めているそうです。
でも、不平・不満の声はありません。
老後は、何歳まで生きたとしても、
国が面倒をみてくれるからです。
だから、彼らは「老後のための貯金」は、
しないのだそうです。
年に、2~3回は、海外旅行を楽しんで、
貰った分の給料は、使い切ってしまうとか。
うらやましい限りです。
20代の人たちは、自分たちは、年金を貰えない
と、悲観的に考えている人が、多いそうですが、
どの世代であっても、考えなくてはいけない時代です。
キリギリスのように楽しく生きて、
困ったら助けてくれるアリさんは、いないもんですかねぇ…。
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