お肌の対策のため、みなさん気にしている紫外線。
身体を温める優しい熱を発する赤外線。
この二つの光には実は共通点があります。
この2種類の光は、人の目では見えません。
2つを併せて「不可視光」と呼ばれます。
この二つの光が「不可視」なのは、
波長が関係しています。
身近な2つの光について「波長」という視点で
改めて理解してみると、光が私たちに及ぼす
メリットとデメリットの理解に役立ちます。
二つの光を改めて知って、
生活や美容に役立てましょう。
「不可視光」って何?
人間の目に色が見える仕組みと、
光の関わりはご存知ですか?
暗闇の中では何も見えませんよね。
夕暮れ時はどうでしょうか?
昼間の光の下では鮮やかに見えていた景色が、
だんだんと色あせていくのを
体験したことは無いでしょうか。
私たちの目は、光が反射したものをキャッチして、
ものを見て、色を捉えています。
色、というのは実は不思議なもの。
色の違いは反射の違いによって生まれます。
私たちの目に見える「可視光」は
波長が380~780nmの範囲の光です。
この波長の範囲の光は、
反射して私たちの目を通り脳が感知するとき、
色を認識させます。
波長によって色がだんだんと変化していきます。
波長が一番短い光が380nmの紫、そこから、
藍、青、緑、黄、橙、そして
一番長い波長が赤、と変化していきます。
こちらの動画に不可視光と可視光の波長と色が
紹介されています。
さて、この「可視光」の波長から外れたのが「不可視光」、
「紫外線」と「赤外線」です。
「紫外線」は「可視光」の一番短い波長380nmより短い、
100~380nmの波長の光です。
一番短い波長の「可視光」380nmが作る色が紫なので、
紫の外、「紫外線」と言います。
一方「赤外線」は、「可視光」の一番長い波長780nmより
長い、780nm~1mmの波長です。
「可視光」の一番長い波長780nmが作る色が赤なので、
赤の外で「赤外線」です。
ちなみに、紫外線には種類があることをご存じな方も
多いと思います。
紫外線には3種類あり、波長の短い順から
- UV-C 波長は100~280nmでオゾン層より下には届きません
- UV-B 波長は280~315nmで日焼けの原因になります
- UV-A 波長は315~380nmでシミの原因になります
UV-Aは曇りでも地表に届き、
室内でも窓を通り抜けることが知られています。
肌に当たると皮膚の内部にまで到達します。
このUV-Aにあたることで急激なダメージを受けることは
ありませんが、じわじわと肌細胞にダメージを与えます。
これにより細胞が壊れた部分がシワやタルミになります。
また、弱った皮膚では色素細胞が酸化し黒くなって、
シミになります。
もっと波長の短いUV-Bは、
日常生活で影響を受ける機会は少なくなります。
このUV-Bは海水浴など強い紫外線を長時間浴びた時に
影響を受けます。
影響はUV-Aよりも急激で、いわゆる「日焼け」、
皮膚の火傷の状態を作り出します。
この火傷の後、メラニン色素が増加して、
色素が沈着すると、日焼による皮膚が茶色くなる
状態がおこります。
また、UV-Bにより肌のコラーゲンを壊す酵素が
作られることで、UV-Aによるダメージを助長します。
UV-Bは、かつてオゾン層に吸収され、
地上に届く量は今より少ない状態でした。
しかし、オゾン層の破壊が進み、人体への有害性が高い
UV-Bが地上に届きやすくなってしまいました。
このように波長を軸に紫外線を捉えると、
どんな場面でどのUVケアを行えばいいかが
わかりやすくなりますよね。
肌に負担となる日焼け止め、
場面ごとに使い分ければ、肌ケアはより的確になります。
いいことだらけ!?赤外線の性質
さて、もう一つの「不可視光」赤外線は、
どんなものでしょうか。
紫外線に比べると、赤外線は人間に害の無い、
良い効果がたくさんあります。
赤外線といえば身近に使われるのは暖房器具ですよね。
太陽からもたらされる赤外線にも
地表を温める効果があります。
暖房器具で用いられる場合には「遠赤外線」ですね。
赤外線の波長の中でも長いものを「遠赤外線」と呼びます。
波長が短い「近赤外線」に比べて温める力が穏やかなので、
暖房に適しているのです。
赤外線という光が熱を与えてくれるのは、
光自体が熱を持つからではありません。
赤外線が発する電磁波が、水分を含む物質にあたると、
吸収されて熱に変化するのです。
この仕組み、電子レンジに似ています。
電磁波が血液に熱を与えてくれることによって、
血流が良くなり、体内から温まることができるのですね。
それぞれの光とは切っても切れないのが
地球に住む私たちの運命です。
上手に恩恵を預かれるといいですね。
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