甘茶は古くから日本で親しまれていたお茶です。
その名の通りほんのりした甘さがあります。
今では日常的に飲まれる習慣が減りましたが、健康効果や糖尿病の方に注目を集めるお茶であるのはご存じでしょうか。
甘茶の健康効果や美味しい頂き方についてご紹介します。
甘茶って何?効能は?
甘茶はユキノシタ科のアマチャという植物の
葉からできています。
ガクアジサイの変種で、アジサイに近い植物です。
甘い味がするお茶と言えば甜茶と混同しそうですが、
一般的に甜茶と言われているものとは
成分が違います。
甜茶は花粉症に効果があるバラ科の植物から
作られたものが昨今よく飲まれています。
では甘茶の効果は?というと、生薬として
抗アレルギー作用や歯周病に効果が認められています。
しかし、甘茶への需要の大きなところは
甘味料としてではないでしょうか。
お砂糖の400倍以上、サッカリンの2倍の甘味成分
が含まれています。
そしてカロリーはゼロ。
甘味を制限されている糖尿病の方などには
嬉しいお茶です。
昔からお釈迦様の誕生日、
灌仏会(かんぶつえ)で甘茶が使われてきました。
飲用の歴史も長く、生活に溶け込んできたお茶です。
この甘茶の木、見た目はアジサイと変わりなく、
家庭での栽培も可能です。
自分で葉からお茶を作ることができる
身近なお茶だったわけです。
もしご家庭でアジサイを育てられるお庭があれのならば、
もしくはすでにアマチャの木があれば、
ご自身でお茶を作ってみてはどうでしょうか。
甘茶の作り方は?
アマチャの木は栽培が容易で、
日当たりもさほど必要としません。
湿気が多く、土壌も湿潤で肥沃な場所を好みます。
お庭や家まわりの日当たりが悪い場所にも
可愛いアジサイの花で彩りを加えてくれます。
さて、ご家庭のアマチャの木から
お茶を作る場合には、注意点が3つ。
① 除草剤を使わないこと。
② お茶を作るときは残念ですが
花が咲く前につぼみを摘み取ること。(6~7月)
③ 使うのは葉だけ。根には有毒な成分が含まれます。
甘茶作りに取り掛かるのは8月中旬です。
葉の煎じ方には種々ありますが、
方法の一つをご紹介します。
- 葉を摘む。
- 葉に均等に霧吹きをかける。
- 水分が均等に染みたら、葉を積み重ねる。
- 一昼夜置いておく。(葉を蒸らす)
- 発酵して湯気が出てきたら、手で揉む。
- 天日で乾燥させる。
葉に水をかけて発酵させる前に天日干し
を1度する方法もあるようです。
動画で作り方が紹介しされています。
参考にしてみてください。
こちらでは先に葉をもんでから発酵させていますね。
やり方に違いがあっても、
ポイントは葉を蒸らし発酵させ、よく揉むことです。
発酵して手で揉むところまでで2日、
あとは乾燥にだいたい2週間からとすると、
少し時間はかかりますがそれほど難しくはありません。
葉が乾燥してパリパリになったら、
試飲をしてみましょう。
急須に2gほどを、沸騰した湯で20~30秒蒸らします。
好みの甘さになっていれば完成。
乾燥していた葉を引き上げます。
急須で蒸らす長さでも甘さが変わります。
だんだんと甘みが増すのですが、
途中で苦味が加わります。
程よい蒸らし時間を探ってみてください。
一見単純な作業ですが、一つ一つの加減で味が変わる
奥深い世界です。
自分なりの味を探求して、
一幅のお茶を楽しむのもいいものですね。
徐々に味加減にも慣れたら、1L単位で作っておくと、
糖尿などで糖分制限されている方にも
喜ばれるのではないでしょうか。
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