自転車盗難。
被害に、遭ったことのある方も、
意外と、多いのではないでしょうか。
ある年1年間の、データですが、
東京都内の、自転車盗難件数は、
警察に、届け出があったものだけでも、
6万件を、超えています。
単純計算でも、1日に160件以上
起こっていることに、なります。
つまり、それくらい日常に
起こりうることなのです。
とはいえ、「盗難」という
立派な、犯罪。
一体、刑法では、どのように
扱われるのでしょう?
今回は、自転車盗難の、
意外と知らない、事実について、
解説します!
どんな罪になるの?
刑法上で、自転車盗難が
扱われる可能性が、あるのは、
- 窃盗
- 使用窃盗
- 占有離脱物横領
の3つです。
では、1つずつ、
具体的に、説明していきます。
1.窃盗
窃盗となってしまうのは、その自転車が
自分以外の誰かの物であることが、
明らかなのに、盗んだ本人に、
「この自転車、欲しい!
自分のものにしちゃおう!」
という意思が、ある場合です。
これを、専門用語では、
「不法領得(ふほうりょうとく)の意思」
といいます。
例えば、駐輪場に停めてある自転車を、
自分の物に、してしまおうと思って、
勝手に持ち出すと、
窃盗に、なってしまいます。
10年以下の懲役、または
50万円以下の罰金が、課されます。
2.使用窃盗
使用窃盗とは、他人の物を無断で
一時的に、使ってしまうことです。
その自転車が、自分以外の
誰かの物であることが、
はっきりしているという点では、
①の窃盗と同じですが、
違うのは、盗んだ本人の、考え方。
使用窃盗では、盗んだ本人に
「自分の物にしちゃおう!」という
意志がなく、
借りた後は、持ち主に返すつもりで、
行われます。
つまり、
「ちょっと借ります〜。あとで返すから!」
ということを、
持ち主の許可なく、やってしまうのです。
犯人には、盗んだという意識は、ありません。
(あくまで、返すつもりで使っていた)
けれど、持ち主からすれば、
返してもらったところで、一瞬でも
勝手に、持っていかれた訳ですから、
盗まれたという事には、
変わりありません。
この場合は、犯人に①のように
自分の物にしちゃおう、という、意思がないため、
窃盗罪にはならず
「使用窃盗」となり、罰することが、できません。
しかし、①と②の違いである、
「自分の物にしようと思ったか、思わなかったか」は、
単に「返すつもりだったかどうか」だけで
判断される訳では、ありません。
犯人が、その自転車を、乗り回した時間や、
その時間、自転車がないことで
持ち主が、どれほど不便を、強いられたか、
また、犯人と、自転車の持ち主の関係性など、
いろんな事情が、考慮されます。
例えば、何日間も、散々乗り回した後で
返した場合には、
不法領得の意思があった、つまり
「自分のものにしようとした」だろうと
判断されやすくなります。
反対に、犯人と持ち主が、
家族である場合には、
不法領得の意志がなかった、
つまり、「返すつもりで借りただけ」だろうと、
判断されやすくなります。
3.占有離脱物横領
占有離脱物横領とは、落とし物や
放置自転車のように、捨てたわけではく、
本当は、どこかに、持ち主がいるのだけれど、
その持ち主が明らかでないもの(占有離脱物)を
持ち出すことを、罰するものです。
持ち主が、その物を持つ権利というのは、
永遠に、消えません。
ごみ置き場に、ずーっと放置されているなど、
明らかに、捨てられているんだな、と分かる、
自転車でない限り、
たいがいの物は、「誰だかわからないけど、人の物」
ということに、なります。
持ち主はわからないけど、誰かの物である。
これを勝手に使ってしまうと、
占有離脱物横領となり、1年以下の懲役、
または10万円以下の罰金、または
科料(行為者の財産を、強制的に徴収すること)に
処せられます。
1回の盗難でも懲役または罰金刑なの?
具体的に、可能性のある、刑罰について
説明してきました。
懲役か罰金かは、裁判所で
決められます。
しかし、実際は、自転車を窃盗しただけで
懲役刑を受ける人は、まずいないです。
犯人が捕まると、警察において
取り調べは、行われますが、
初犯に限り、微罪処分ということで
刑事手続きを、行わないことも
あるようです。
しかし、あくまで「初犯に限り」です。
何度も、繰り返しているようなら、
拘束され、一時留置の上、
10万円近い罰金刑を、
課せられる場合も、あります。
ちなみに、微罪処分というのは、
盗んだ自転車の、時価が低いもの、つまり
ボロボロの自転車や、安い自転車を、
盗難した場合、初犯であれば
警察署限りで、反省文のみとします、
ということです。
しかし、初犯であっても、
両手指の指紋の採取、顔写真は
撮られます。
最後に
警視庁によれば、平成23年の、
自転車盗難被害に、遭ったもののうち、
約6割が、施錠なしの、状態だったそうです。
すぐ戻るから、と油断せずに、
鍵は、しっかりかけることを、忘れずに!
いかがですか?
たかが、自転車盗難と思っていても、
立派な犯罪です!
罰金が、課せられる可能性が、あります。
自分が、犯罪者にならないことは
もちろんですが、被害者にもならないよう
気をつけましょう!
質問なのですが、窃盗で警察に連れて行かれ初犯の場合、親御さんへの連絡やその警察署にいてもらう場合はあるのでしょうか??
コメントありがとうございます。
この辺りの判断等に関しては、警察の方と話し合うのが
良いと思います。もし、その対応に不服がある場合には
弁護士の方にご相談される事をオススメします。