「鴨の子と 盥に飼うや 銭葵」
有名な正岡子規の句です。
水が入った盥(たらい、と読みます)の中で、
鴨の雛が遊んでおり、近くには銭葵の花が咲いている。
という、夏の情景を詠んだ句です♪
葵の花といえば、「夏」の花で、銭葵は、
昔から夏の風物詩として、楽しまれてきた花です。
また、日本では有名な、徳川家の「葵の紋所」は、
フタバアオイの葉をモチーフにして、描かれています。
源氏物語に出てくる「葵の上」や、数年前からは、
女の子の名前の人気ランキングに入るなど、
「葵」は、とても日本に根付いていますね。
ですが、細かく見ていくと、「葵」には、
考えられないくらい、たくさんの種類があるのです!
しかも!私たちに馴染みのある「葵」は、
よく見かける「葵」とは、ちょっと違う!?
「葵」の謎を解明しながら、その花と種類について、
ご紹介します!
葵の種類
アオイ科の分類では、細かく分けていくと、
75属にも分かれ、その種類は、1500種もあると、
言われています。
驚きですよね!
ウマノスズクサ科カンアオイ属にしても、
日本で確認されているのは、50種!
どちらにしても、相当の種類がありそうです!
葵の真実
「葵」は、主に、二つの種類に分けられます。
アオイ科と呼ばれる、双子植物の科で、
美しい花を咲かせるものです。
5枚の花弁をつけます。
鑑賞用として、ハイビスカス、ムクゲ、フヨウ、
タチアオイ、トロロアオイ等があります。
食用のオクラも、こちらに入ります。
ワサビが「山葵」と書くのは、有名ですよね!
また、ワタやケナフなど、繊維としての、
利用をされるものもあります。
日本に自生しているものは数種類あり、
三浦半島の海岸に生える「ハマボウ」は、
アオイ科の花になります。
私たちが「葵」と認識している花は、
「タチアオイ」や「ゼニアオイ」が多いと思うのですが、
ヨーロッパ原産で、外来種なんです!
アオイ科の「葵」とは、全く別物の「葵」です。
すごく紛らわしいのですが、日本の神社や、
徳川家の紋として、モデルになっているのは、
こちらです。
カンアオイ、フタバアオイ、ヒナカンアオイが
あります。
画像は、フタバアオイの葉。
葵の紋所の、モチーフとなったと言われています。
葉脈がしっかりしています。
花を見るのは難しく、葉の付け根の部分、
地面の上に咲くので、葉をかき分ければ、
稀に、見ることが出来ます。
カンアオイは、ハート型のような葉で、寒い冬でも、
青々としていることから、寒葵と呼ばれています。
カンアオイ科の「葵」は、花よりも、
葉を楽しむものですね。
そのほかの葵
ゼラニウムの仲間にも、「葵」がつく花があります。
- 天竺葵(ゼラニウム)
- 夏咲天竺葵(ペラルゴニウム)
水草の仲間の「葵」として。
ホテイアオイが有名ですね!
こちらは、ミズアオイ科に属するものです。
ツユクサ目に入り、種類としては、
33種が確認されています。
葵って、調べれば調べるほど、いろいろと出てくるので、
まだまだ調査不足ですが、その種類の多さは、
伝わったでしょうか?
にしても、きれいな花をつける「葵」と、
葵のご紋の「葵」が、全く別の植物だったなんて、
なんだか目からウロコな気分です!
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