男性の着流し姿って、魅力あると思うんですよ。
女性の浴衣姿に関する魅力とは、また別の点で。
しかし「着流しの男性」と言って、すぐに思い浮かべるのは、サザエさんの波平お父さんですね。
誰にも愛されている日本のお父さん。
カミナリを落とす姿も、孫と散歩する姿も、庭で盆栽をいじる姿も、あの着流しだからこそ説得力と魅力のある姿だったのかも思ってしまうのです。
若者は、いつかあのようなお父さんになるかもしれない。
近い年齢の方も、たまには着物を着てみたいのかもしれない。
そんな潜在着物人口が増えるように!
勝手ながら、男性着物の着こなしを研究してみました。
ちなみに着物なら、足が長くても短くても足長効果抜群です。
多少のお腹のでっぱりも、いい感じにまとまります。
もちろん、細身の方も「シュッ」と着こなせます。
帯の種類と結び方
女性用の帯に比べると、
男性用の帯は実に簡単に結ぶことができます。
ここでは、その中でも主なものを紹介します。
角帯:
男性用の帯として、もっとも一般的な帯。
カジュアルでも礼装でも使えるという、懐の深さ。
生地は、若干硬いと感じるものが多い。
腰回りをしっかりと巻くために、固めにできている。
巻く場所:
腰紐を巻いた、その上に巻きます。(腰紐を隠す)
ウエストベルトではないので、おへそではなく、
腰骨のあたりに巻きます。
結び方(貝の口):
- 帯の端を30~40cmくらい取る。
それを折りたたむように、縦に半分に折り、それを右手で持ちます。
帯の先を細くする感じです。 - 帯の端は持ったままで、持っていない方の帯を、
腰紐の上から2回または3回、ぎゅぎゅっと巻きます。
※巻く回数は、帯の長さと、
ご自分の腰幅周りと相談してくださいね。 - きつめに巻いた帯は、後ろから来た巻いた方を上にします。
太い方の帯は、細い方の帯と交差した地点から、
20cmくらいの地点を左手で持ち、
余った部分は内側に折り返します。(帯を短くする感じです) - 左手に持つ、幅の広い帯を、帯の細い方にくぐらせて、
上に向かって引っ張ります。縦結びのようになります。
太い方の帯は、しっかり引っ張っておきます。 - 右手に持つ細い帯を、太い帯の下を通って、手前に折ります。
そのまま太い帯を、細い帯にかぶせるように下に折ります。 - すると、自分から見て右手に、
結び目を作りたい部分が見えてきます。下に折った太い帯を、細い帯の下を通すと、
太い帯の先が斜め上を向いています。 - 結び目は完成!
このまま形が崩れないように、右から左の時計回りで
前から後ろへ回します。ちなみに、結び目は中央よりも、やや左右のどちらかにずらすと
かっこいいです。お腹のお肉が一緒にずれ込んでしまった人は、
帯を少し下げて調整します。
個人的に、この結び目をイメージする時には、
「割りばしの袋を結んだ感じ」と思いながら結んでいます。
貝の口の結び方です。
兵児帯(へこ帯)
締めてもきつくなりにくいので、普段着や子供用に
利用されることが多い帯。冠婚葬祭には不向き。
やわらかく薄めの生地が多い。
絞りが入っているので、伸縮性がある場合もある。
角帯に比べると、幅広のものが多い。
巻く場所:
腰紐を巻いた、その上に巻きます。(腰紐を隠す)
ウエストベルトではないので、おへそではなく、
腰骨のあたりに巻きます。
結び方:
ちょうちょ結びが出来ればそれだけです。
- 帯の幅が広いので、2~4つに折ります。
何回折るかは、帯の幅と、腰回りと相談しますが、
2つ折りにする場合が多いです。ここで注意!
生地がやわらかいからといって、折らずに絞るようにして
太さを調節すると、帯として巻いた時に、格好悪いです。
最初は、きれいに折るのをオススメします。 - 折ったままの帯を腰に当て、右手に持つ短い方の端が、
着物の裾より短い辺りに固定します。腰回りと帯の長さによって、端の固定場所は変わってきますが、
ここでは目安でお知らせします。 - 帯の端は持ったままで、持っていない方の帯を、
腰紐の上から2回または3回、ぎゅぎゅっと巻きます。※巻く回数は、帯の長さと、
ご自分の腰幅周りと相談してくださいね。 - きつめに巻いた帯は、後ろから来た巻いた方を上にします。
1回結びます。この時、短い方の帯が上になるように結びます。 - 短い方の帯の2つに折りながら、ちょうちょ結びをします。
結んで垂れた長い方の部分を、下から回して結び目を覆います。
出来た結び目を、時計回りに好みの場所に移動します。
これも角帯と一緒で、背中の真ん中よりも、左右どちらかに
ずらした方がかっこいいです。
着物と帯の色合わせは?
複数の色を合わせたりする前に、
まず自分が一番着たい、着物の色から選びます。
- 紺:
入門の色。夏でも冬でも違和感なく溶け込みます。 - 灰:
落ち着いた雰囲気を醸し出します。上品な印象も与えます。 - 茶:
安定というよりも、おしゃれな感じになります。 - 黒:
重厚感を与えます。着慣れるとかなりおしゃれです。
以上が、定番の4色です。
着物の色を基準として、色合わせを楽しむ場合は、
帯を複数用意して、バリエーションを楽しむのが一般的です。
同じ着物でも、帯の色を変えるだけで印象がガラリと変わります。
お好みによりますが、同系色よりも反対色の方が落ち着きます。
同系色:どちらも薄い色にすると、やや軽い感じに。
反対色:メリハリが出て、全体的に引き締まって見えます。
1つの着こなしに使う色味は、3色くらいが最大です。
色数が少ないと、シンプルで無難にまとまります。
色数がそれよりも多くなると、かなり個性的になり、
まとめるのが難しくなります。
最初の内は、2~3色でまとめることから始めると良いのでは。
ちなみに、個人的に好きな色合わせは、
着物:帯
=紺:辛子色
=灰色:黒系
が落ち着きますね。
女性用の着物は柄が多いので、組み合わせもいろいろあるんですが、
男性用の着物は柄物があまりないので、色味が大事だと思います。
と、ここまで私の好みで、がっしりまたはむっちり体系の男性向けの
紹介を書いてしまいましたが、やせ形の男性でも大丈夫!
やせていても、着流しが美しい男性はたくさんいらっしゃいます!
袖の下から、見えたり見えなかったりするくらいの細い腕は、
なぜあんなに色っぽいんでしょう。
着物って、チラリズムの宝庫ですよね。
この魅力を使わないのは、実にもったいないです。
ということで、「やせ形だから着物は…」と危惧している方には、
帯がしっかり決まる、以下の方法がオススメです。
- 腹巻をする
これだけで、ボリュームと滑り止めになります。 - 腰からおへそにタオルを当てる
3つ折り位にしたバスタオルをお腹に乗せる。
タオルの中心は、おへそに来る感じで。腹巻よりも確実に厚みが出るので、
細身がより気になる人は、こちらの方がオススメです。
これで貫録も出るし、帯も緩みにくいので、
是非ともお試しを!
最近のコメント